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理事長レター

理事長レター Vol.19

日本臨床腫瘍学会 理事長 石岡千加史

新年明けましておめでとうございます。皆様に年賀のご挨拶を一言申し上げます。

 昨年1月、政府は新型コロナウイルス感染症を5月8日から感染症法上の5類に引き下げると発表、3年間もの長きにわたり足踏みを続けた社会活動がようやく活発になりました。当学会においては以前のような対面形式にウェブを併用したハイブリッド会議が活発に行われ、会員同士で直接相互交流を深めることは有意義であると改めて感じた1年となりました。とりわけ昨年は、当学会設立から丁度20年(研究会時代を含めると30年)の節目の年であり、コロナ明けと創設20周年企画の相俟ってか第20回学術集会(福岡、馬場英司会長)は久しぶりに大盛況でした。これも一重に皆様の御支援の賜物と心から感謝いたします。

 昨年、もう一つ当学会に深くかかわる国の政策に6年ぶりに策定された第4期がん対策推進基本計画があります。従来のがん予防、がん医療、がんとの共生とこれらを支える基盤の記載が新たになり、がん医療の格差の問題、がんゲノム医療などの高度ながん医療の集約化と最新の標準医療の均てん化の課題、がん関連学際領域への対応、ドラッグラグ・ロスが課題となる研究の推進など、次の6年間に私たちが取り組むべき課題が山積しています。当学会は会員の皆様のがん対策に対する活動をできるだけご支援し、また自らも積極的にがん対策に取り組んで参ります。

 第4期基本計画の初年度に新年を迎え本学会は、今年2月22日から3日間の会期で第21回学術集会を開催いたします(名古屋国際会議場、学術集会長は岩田広治愛知県がんセンター乳腺科部長)。第21回学術集会ではBreak the Borders and Beyond ~for our patients~のテーマのもとに、最新の研究成果の発表に加え、リアルワールド・データの活用、ドラッグラグの問題、がん関連学際領域、がん診療の集約化など、今日、内外でのがん薬物療法の分野が抱える課題について討論される予定です。多くの皆様の参加登録を心からお待ちいたします。また、今年も教育セミナー、Best of ASCO Japan, Best of ESMO Japan、がん免疫薬物療法マネジメント、がん薬物療法専門医認定試験、市民公開講座などの事業主催、海外学術団体とESMO PAGA活動の事業協力やASCO Breakthrough会議の共催など、皆様に参加いただきたい企画が目白押しです。是非、皆様の診療、教育、研究や社会活動の飛躍させる機会としてご活用ください。

 2024年(令和6年)は甲辰(きのえたつ)。陰陽五行説によると「甲」は草木の成長を表し、十二支で唯一架空の動物「辰」は大自然を躍動する龍を表します。今年が、皆様にとって飛躍の1年となりますことを祈念し、新年の御挨拶とさせていただきます。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2024年(令和6年)元旦

公益社団法人 日本臨床腫瘍学会
理事長 石岡千加史

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