理事長レター
理事長レター Vol.8
あけましておめでとうございます。
新しい年を迎え、皆さまはいかがおすごしでしょうか。今年も皆様にとって良い年になりますことを祈っています。
昨年は日本臨床腫瘍学会にとっていろいろなことがありました。がん薬物療法専門医を内科のサブスペシャルティとすることは日本内科学会認定医制度審議会では承認されていましたが、8月に内科系関連13学会協議会でも承認され、11月には日本外科学会の外科関連専門医制度委員会/専門医制度委員会 合同委員会にても承認されました。がん薬物療法専門医は基準をみたせば内科だけでなく外科系診療科からも取得できるように制度を維持していきます。
外科出身の先生の中には薬物療法に専念している先生もいらっしゃいます。その方もがん薬物療法専門医を取得・維持できるよう、日本外科学会認定登録医をベースとすることも可能です。がん薬物療法専門医はどうあるべきかを見失わず、必要なトレーニングを受け知識・技量を身に付ければ誰でも取得できる制度であるべきと考えます。
実際にはがん薬物療法専門医の多くは内科をベースとしているのも事実です。内科のサブスペシャルティの一つとなったことを契機に、内科学会総会ばかりでなく各支部での内科学会地方会でも腫瘍のセッションを設けて、研修医に発表の場を提供するように各地区で働きかけていただければと思います。地方会などでの発表を契機に腫瘍に興味を持つ研修医も多くいます。各地区での働きかけをお願いします。
今年は新しい事業も行います。
2月9~10日にがん薬物療法専門医に対する教育事業の一環として、ASCOと合同で、将来の臨床研究のリーダーの候補となる若手医師を対象としたJSMO/ASCO Young Oncologist Workshopを開催します。高齢者のがん治療はこれからますます重要となります。日本臨床腫瘍学会の教育委員会に老年腫瘍学ワーキングを発足させましたが、3月21日に老年腫瘍学セミナーを開催します。
免疫チェックポイント阻害薬が様々ながん腫で有効性を示し実地診療で使われるようになりましたが、副作用管理は共通です。ますます臓器・領域横断的ながん診療が重要となります。日本臨床腫瘍学会では、科学的な免疫療法が適切に行われるよう、がん免疫療法に関する包括的教育プログラムを始動させる予定にしています。研修医にがん診療に興味を持ってもらうようなセミナーも開催していきたいと考えています。
本年も、日本臨床腫瘍学会の活動にご支援をお願いします。
2018年1月1日
日本臨床腫瘍学会
理事長
南 博信
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