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理事長レター

理事長レター Vol.17

日本臨床腫瘍学会 理事長 石岡千加史

謹んで新年の御祝詞を申し上げます。

 皆様には益々御清祥にて初春をお迎えのこととお慶び申し上げます。昨年も世界中が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に振り回された1年となりました。加えて昨年2月にはじまったロシアのウクライナ侵攻は、国家の安全保障のみならず世界の経済や医療・福祉分野に大きな影響を与え、人々はこれに驚き、怒りと悲しみを共有しました。この2つの出来事はいつ終息するかなお予断を許さない状況にあり、今もなお暗い社会情勢に困惑しつつ明るい光を切望する年でした。今年の干支は癸卯(みずのと・う)。陰陽五行で読み解くと、「寒気が緩み、萌芽を促す」、厳冬が去り春の兆しが訪れる年になると申します。今年こそこれらの試練がいち早く終息に向かうこと、そして人類が健康と世界平和を取り戻すことを念じつつ新年を迎えました。また、卯年は「飛躍」と「向上」の年とも言われるようです。謹んで皆様の御健勝を祈り、あわせて皆様にとって飛躍・向上の年となることを願い上げます。
 さて、当学会の今年の活動幕開けとして第20回学術集会JSMO2023が3月16日から18日に福岡で開催されます(九州大学・馬場英司会長)。現地開催を中心に一部はライブ配信とオンディマンド配信を取り入れたハイブリッド開催となります。’Cancer, Science and Life’のテーマ(科学がこれからのがん医療の進歩を支え、患者が満足する生活と実りある人生を送れるようにとの大会会長メッセージ)のもと、最新のがん薬物療法や個別化がん医療の最新の情報に加え、支持療法や緩和医療、患者支援者の育成や医療経済に関する話題が満載の充実したプログラムが企画されています。同時に、今年の学術集会は第1回学術集会が福岡で開催されてから丁度20周年の節目の年となります。JSMO2023では会期中にJSMO創設周年特別企画を催します。この記念すべき学術集会への皆様の御参加を心よりお待ち申し上げます。是非、JSMO2023ホームページ 外部サイトへ移動でプログラムを御確認の上、お早めの事前参加登録をお願い申し上げます。
 国の第4期がん対策推進基本計画がほぼ固まり、医療の格差問題が再びクローズアップされるとともに、従来のゲノム医療による個別化がん医療やライフステージに応じた医療の整備に加え、遠隔医療やAI診断、腫瘍循環器などの新たな関連学際領域との連携、患者参画など、新時代のがん研究やがん医療の在り方を考える年になりそうです。当学会は、会員の皆様の活動を支援し、自らも新しい活動にチャレンジしつつ新時代のがん医療のための研究を推進いたします。そして世界中の人々により良いがん医療を提供できるようにと決意を新たにしたところです。

 旧年中は大変お世話になりました。本年も変わらぬ御指導と御鞭撻のほどを心よりお願い申し上げます。

2023年(令和5年)元旦

公益社団法人 日本臨床腫瘍学会
理事長 石岡千加史

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