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ロシアのウクライナ侵攻によるがん患者および医療従事者への脅威に関するJSMOの声明

ロシアのウクライナ侵攻によるがん患者および医療従事者への脅威に関するJSMOの声明

2022年03月18日

日本臨床腫瘍学会(JSMO)は、以下のステートメントを発表する:

世界にはがんと戦う患者さんが沢山います。ウクライナも例外ではなく、外科治療、放射線治療、がん薬物療法などの治療が必要ながん患者が数多くいます。しかし、現在ロシアがウクライナに侵攻して、多数の医療機関を含む建物や家屋を攻撃して破壊し、がん患者は必要な治療を受けることができない状態にあります。また、ロシアの攻撃により多数の負傷者が出ていますが、彼らも適切な医療を受けることができません。さらに、ウクライナでは、食品や医薬品の蓄えが底を突きつつあります。このように、ウクライナではロシアによる戦争により医療行為が中断されています。日本臨床腫瘍学会 (JSMO)とその会員は、国際的な臨床腫瘍学会の一つとして、ロシアの侵攻下にあるウクライナのがん患者や市民を出来るだけ支援します。私たちは、ウクライナのがん患者や負傷者が速やかに保護され、安全な場所に避難し、適切な医療を受けられることを求めます。
 臨床腫瘍学を含む医学の発展には、国際的な臨床試験や多国間の共同研究が重要な役割を果たします。私たちは、ウクライナやロシアを含む多くの国々の科学者や医師とともに、新しいがん治療法を開発してきました。しかし、ロシアの指導者たちが引き起こした戦争により、ウクライナやロシアの科学者や医師の活動は大きな影響を受けています。とくに、ウクライナの科学者や医師は戦争により生命の危険にさらされ、臨床試験、共同研究や科学的な意見交換を行うことができない状態にあります。
JSMOは、ロシアの正当化されないウクライナ侵攻を非難し、ロシア軍の速やかな撤退を求めます。

なお、本ステートメントの骨子は、2022年3月5日に開催されたJSMO年次総会で承認されました。

理事長
石岡 千加史(東北大学大学院医学系研究科・医学部)

副理事長
高山 哲治(徳島大学大学院)
田村 研治(島根大学医学部附属病院)

理事
安藤 雄一(名古屋大学医学部附属病院)
池田 公史(国立がん研究センター東病院)
岩田 広治(愛知県がんセンター)
大江 裕一郎(国立がん研究センター中央病院)
木下 一郎(北海道大学病院)
佐治 重衡(福島県立医科大学)
高野 利実(がん研究会有明病院)
津端 由佳里(島根大学医学部附属病院)
中島 貴子(京都大学大学院医学研究科)
西尾 和人(近畿大学医学部)
馬場 英司(九州大学大学院)
藤原 康弘(医薬品医療機器総合機構)
堀田 勝幸(岡山大学病院)
室 圭(愛知県がんセンター)
矢野 聖二(金沢大学附属病院)
山本 一仁(愛知県がんセンター)
吉野 孝之(国立がん研究センター東病院)

監事
上野 誠(神奈川県立がんセンター)
仁保 誠治(獨協医科大学)
米盛 勧(国立がん研究センター中央病院)

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