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理事長挨拶


2015年6月1日
公益社団法人日本臨床腫瘍学会
理事長 大江 裕一郎

日本臨床腫瘍学会は1993年に発足した日本臨床腫瘍研究会を前身として2002年に任意団体として設立されました。2005年4月から特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会として活動してまいりました。その後社会情勢の変化に対応し学会基盤を強化すべく、2014年より公益社団法人への移行準備を始めました。その後、2015年5月14日に公益社団法人として認定され、2015年6月1日より公益社団法人日本臨床腫瘍学会として活動を開始いたしました。公益社団法人日本臨床腫瘍学会となっても、学会の活動方針はこれまでと変わるものではありませんが、これまで以上に国民のために公益性を高めた活動を行っていきます。

日本臨床腫瘍学会設立当時の理念として「我が国におけるメディカル・オンコロジー(腫瘍内科学・臨床腫瘍学)の確立」「がん薬物療法専門医の育成」「トランスレーショナル・リサーチの推進」「がん治療における臨床試験の推進」が掲げられています。設立時の会員数は700名にも満たない小さな学会でありましたが、その後13年の間に会員数は増加し現在では9000名を超えています。学術集会・教育セミナー・Best of ASCO・市民公開講座の開催以外にも、がん薬物療法専門医制度の運営、ESMOと共同での機関誌Ann Oncolの発行、内科系社会保険連合および日本医学会への加盟、各種診療ガイドラインの作成、新臨床腫瘍学および入門腫瘍内科学の刊行、甲状腺癌診療連携プログラムの創設・運営など多岐にわたる活発な活動を行っています。この間に、がん対策基本法の施行、グローバル化、がん患者の高齢化、分子標的治療薬や免疫治療薬の急速な進歩など、がんの医療および研究をとりまく情勢が大きく変化しています。これらの変化に対応し、さらに日本臨床腫学会を発展させるために、2013年3月に「国民の福祉」「がん診療」「会員活動の支援」「教育」「研究」「専門家の養成」「情報の提供」「組織の強化」「国際化」の9項目からなるビジョン&ミッションが示されています。日本臨床腫瘍学会の活動は、このビジョン&ミッションに基づいて実施されますが、最終的にはすべてが「国民の福祉」に帰結するものです。

日本臨床腫瘍学会が取り組むべき喫緊の課題としては、「我が国におけるメディカル・オンコロジーの確立」、「がん薬物療法専門医の育成」、「国際化の推進」などがあります。「我が国におけるメディカル・オンコロジーの確立」は設立当時からの最重要事項ではあります。いまだ国内での認識は医療従事者を含め十分ではありませんが、腫瘍内科が内科の一分野として認められつつあります。がん薬物療法専門医制度の理念は、初代の専門医制度委員会委員長福岡正博先生が示された「患者さんのための専門医制度」です。2015年4月1日現在で1060名が、がん薬物療法専門医に認定されていますが、まだまだ十分な人数には達していません。専門医の質を担保しつつ、新専門医制度に即してさらに多くの専門医を育成しなければなりません。2012年の日本臨床腫瘍学会学術集会より、海外からの一般演題募集を開始し国際化を推進しており、プレナリーセッション、インターナショナルセッション、海外学会との共同セッションなどが英語で行われています。ASCO、ESMOと並ぶアジア地区のメディカルオンコロジーの中核となる学会とすべくさらに国際化を推進する必要があります。一方、医師以外の会員も数多く在籍して学術集会に参加しており、学術集会のすべてを国際化するのではなくセッション毎の区分が必要です。

日本臨床腫瘍学会は公益社団法人として活動を開始しましたが、まだまだ歴史の浅い学会です。しかし、高齢化によるがん患者さんの増加、分子標的薬や免疫療法の急速な進歩などもあり日本臨床腫瘍学会の果たすべき役割はさらに重要性を増しています。今後の10年はさらなる飛躍を目指す時期です。理事長として、学会の発展、国民の福祉のために尽力する所存ですので、会員の皆様、関係の方々のさらなるご協力をよろしくお願い申し上げます。