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新専門医制度

「腫瘍内科専門医」に関する経緯と今後について

2022年7月

理事長 石岡 千加史
専門医制度委員長 田村 研治
専門医審査部会長 松村 到

 本学会の「腫瘍内科専門医」は、新専門医制度において、日本専門医機構(以下、機構)により「サブスペシャルティ専門医」(=機構専門医)として既に承認され、内科研修との連動研修が認められない「通常研修領域」に位置付けられました。これまで、2022年4月の研修開始に向けて準備してまいりましたが、2022年2月の機構による「整備基準」の審査において、本学会を含む既承認8学会が “承認保留”となりました。承認保留となった理由について、日本専門医機構に問い合わせた結果

  • 既に認定された領域の機構認定を取り消し、強制的に学会認定とすることはないこと
  • 内科を基本領域として提出された「腫瘍内科専門医」カリキュラムは良質なものと判断していること
  • 通常研修領域の基本領域は、「内科および他の基本領域」としており、「腫瘍内科専門医」においても内科以外の他の基本領域の追加について検討を加える必要があること

一方、本学会が既に応募を開始した、2022年4月からの研修に関しては、

  • 既存の学会専門医制度下で始めて戴きたいこと
  • 2022年度4月開始の専攻医については、一旦は学会認定の専門医試験を受験いただき、合格1年後に機構専門医への移行を認める方針であること

という回答でした。
 この回答を受け、本学会としては、内科以外の領域を基本領域に加えることについて再検討した上で、「整備基準」を修正し、今年度中の「整備基準」承認を目指すことといたしました。
 同時に、2022年度4月開始の「腫瘍内科領域 専攻医」にご応募いただいた専攻医に関しては、専門医機構の回答に従いまして、まずは学会専門医制度で研修していただくことに致しました。この方針にご了解いただいた32人の専攻医が、2022年度4月より、「腫瘍内科専門研修カリキュラム」を開始しておられます。今後、当学会の「整備基準」が承認され、各専攻医が学会認定の専門医試験に合格されたら、1年後に機構専門医に移行していただく方針としております。
 尚、この一連の経緯は、現在の学会認定の「がん薬物療法専門医」に、直接影響するものではありません。ただし、「がん薬物療法専門医」の認定試験は、「腫瘍内科専門医制度」が稼働するまでの数年間の移行期間後に中止する予定です。「学会認定専門医:がん薬物療法専門医」から、「機構専門医:腫瘍内科専門医」への移行に関する基準、手順などについては、現在、機構と検討中です。また、内科認定医を母体とする「がん薬物療法専門医」の「腫瘍内科専門医」への移行については、当学会だけの問題ではありませんので、内科学会が中心となって専門医機構と調整中であります。
 専門医制度の新しい情報については、今後も速やかにご報告いたします。会員の皆様におかれましては、本学会の専門医制度にご理解をいただき、今後ともご支援をいただきますようお願い申し上げます。