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お知らせ

2012年12月03日
『早期臨床試験プロトコールマニュアル』刊行に際して

 質の良い臨床試験を行うためには、明快で適切な試験デザインを構築し、それを具現化するための整合性のとれた研究実施計画書(プロトコール)を作成する必要があります。「臨床研究に関する倫理指針」(平成20年厚生労働省告示第415 号)では、あらゆる臨床研究において「研究責任者は、臨床研究計画において、臨床研究の実施計画および作業内容を明示しなければならない。」と規定され、それらの臨床研究計画が臨床指針に適合しているか否かを、あらかじめ倫理審査委員会に審査を行わせなければならないと記述されています。
 このたび、既承認薬の研究者主導型早期臨床試験(第I相試験、第II相試験、第I/II相試験)のプロトコールの標準化とその作成を支援することを目的に、厚生労働省がん研究助成金「がんの集学的治療の早期開発研究体制に関する研究」(20指-7)班(代表者:大津 敦)において、「早期臨床試験プロトコールマニュアル PDF 」が作成されました。作成にあたり、日本臨床腫瘍学会(JSMO)のガイドライン委員会ならびにJSMO理事会での審議・承認、JSMOホームページ上でパブリックコメントへの対応、日本臨床腫瘍研究グループ (JCOG)データセンター/運営事務局(代表者:福田 治彦)によるチェックなど、各方面の多大なるご協力とご支援をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
 JCOGプロトコールマニュアルは、第II相、第III相試験といった研究者主導型後期臨床試験のプロトコール作成を支援するものであり、プロトコール記載に必要なすべての項目が網羅され、数回の改訂を経た(現在ver2.3)完成度の高い、まさに生きたマニュアルとして利用されています。このたびの「早期臨床試験プロトコールマニュアル」とは早期臨床試験を対象にしている点が異なりますが、生きた標準化マニュアルとして皆様にご利用いただくことを目指している点では共通しております。
 そのためにも、新薬の開発、新治療の評価方法の変化に機敏に対応していくことが求められ、柔軟かつ適切に改定していくことが必須であると考えています。そして、最も大事なことは本プロトコールマニュアルを利用された方々の厳しい評価です。ご意見やご提案等ございましたら、日本臨床腫瘍学会事務局(Emailはこちら)までご連絡をいただけたら幸甚です。改定の際に検討させていただきます。
 最後に、本マニュアルの作成とこのたびの刊行に際して獅子奮迅の働きをされた藤原 豊先生に深く感謝申し上げます。

 『早期臨床試験プロトコールマニュアル』こちらからご覧いただけます。 PDF

特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会
理事長 田村 和夫
ガイドライン委員長 室   圭