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お知らせ

2007年08月03日
日本臨床腫瘍学会 学会誌の選定について

NPO法人日本臨床腫瘍学会(Japanese Society of Medical Oncology; JSMO)の会員数は毎年1,200名~1,500名増加し2007年7月現在6,300名余りとなっています。また、厳しい認定試験に合格した専門医も126名誕生しています。JSMOはわが国の臨床腫瘍学の活性化を目指し学会の事業として学術集会、教育セミナー、Best of ASCO、教科書の刊行等を行ってきました。しかし、学会の重要な活動の一つである学会誌の刊行については未解決の問題でありました。

JSMO独自での学会誌刊行については、次のような問題があげられます。
①日本語の学会誌を出版しても論文の投稿は期待できない。
②欧文の学会誌の場合も良質の論文の投稿は期待できないと共にわが国に既にInt. J. Clin. Oncol.とJpn. J. Clin. Oncol.があり苦戦中である。
③新たに学会誌を発行する場合、編集委員会の編集、レビュー、機構の構築など労力がかかるとともに学会予算の50%以上を雑誌の刊行に費やすことになる。

従ってJSMO理事会は、既存の英文誌をNPO法人日本臨床腫瘍学会の機関誌とすることを前提に検討を行ってきました。最終的にEur. Soc. Med. Oncol.(ESMO)の機関誌であるAnnals of Oncology(Ann. Oncol.)を候補として2005年よりESMOと交渉を行い、6月1日シカゴのハイアットリージェンシーホテルでESMO代表および出版元とAnn. Oncol.に関しての契約を行いました。

ESMOは多国籍の臨床腫瘍学の学会で会員数は5,000名であります。現在まで2年に1度ずつ学術総会を行うとともに、2年に1度ずつECCOを共催してきました。また、2008年以降は毎年学術集会を行う予定であります。Ann. Oncol.はOxford出版から発行され、インパクトファクターは4.5~5.0。Dr. David KerrがChief Editorとして活躍しています。

Ann. Oncol.に関する契約の内容は以下の通りです。

  • Ann. Oncol.をJSMOの機関誌とする。
  • Ann. Oncol.にJSMOからのAssociate EditorおよびEditorial board memberを加える。
  • JSMOのロゴをAnn. Oncol.表紙に入れる。
  • Ann. Oncol.に対するESMO、JSMOの相互乗り入れについて、バルセロナで行われるECCO14でプレスリリースする。
  • JSMOは必要な経費を負担する。

この契約の成立はわが国におけるグローバルな臨床腫瘍学の確立を目指すJSMOにとって極めて重要です。今後、学術集会でJSMOとESMOのジョイントシンポジウムを行ったり、教育のためのtoolを共有することにより、わが国の臨床腫瘍学は益々充実するものと期待されます。

NPO法人日本臨床腫瘍学会
理事長  西條長宏