腫瘍内科医になりたいと思っていた私にとって、このセミナーの開催は非常に楽しみであった。「4年生にとってこのセミナーの内容は難しいかもしれない」、「研修医の先生方ときちんとディスカッションできるか」など一抹の不安は抱えていたものの、いざセミナーが始まると、そんな不安は吹き飛び、先生方の興味深い講演や、学生同士ではできないような充実したグループ内のディスカッションに夢中になっていった。
　先生方の講義では腫瘍内科医としての日々の仕事、オンコロジー・エマージェンシー、これからの腫瘍内科の展望まで様々な内容を説明していただき、漠然としたイメージしかなかった「腫瘍内科」について深く知ることができた。また、私のグループでは「臓器横断的に使用される薬剤」をテーマにディスカッションを行ったが、実臨床の現場で働かれている先生方の意見は、机上の勉強しかしていない私にとって新鮮で、学ぶべきことに溢れていた。その上、グループの先生方のプレゼン能力や短時間で仕上げたスライドの質に驚くばかりで、ぜひこれからの参考にさせていただきたいと思った。このグループワークを通して私は、なぜ臓器横断的に効果があるのかを考え、柔軟な発想を持つことで、臓器を超えたよりよい治療を生み出せるのではないかと実感した。)
　このセミナーに参加して一番良かったと思うことは、たくさんの方と出会えたことである。特にがん患者の方、がんを乗り越えた歌手の方の講演はとても印象的であった。がん患者さんの辛かったこと、不安だったこと、うれしかったことを聞くことができ、「患者さんを一番に考えた医療」を提供できる医師になりたいと強く思った。また、熱い想いを持っていらっしゃる先生方のお話は、普段の学生生活では得られないようなわくわくするものばかりで、何時間でもお話を聞いていたいくらいであった。このセミナーに参加してよかったと強く思う時間であった。
　最後になりますが、このセミナーを企画、運営してくださった皆様に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。次回の開催も心待ちにしております。