医学生・研修医のための腫瘍内科セミナー

ご挨拶

日本では、年間約100万人ががんに罹患し、約38万人ががんで死亡していて、その多くが、腫瘍内科医を必要としています。しかし、がん薬物療法専門医の数は、わずか1693人(2023年4月時点)。とても、需要に応えられているとは言えません。日本全国、すべてのがん患者さんが、納得して治療を受け、自分らしく生きていけるように、「真の腫瘍内科医」が待ち望まれているのです。
腫瘍内科医の育成には、国も後押しもあり、日本臨床腫瘍学会を中心に、積極的に取り組んでいます。日本では新しい領域ということもあり、まだ発展途上ではありますが、その分、未来には無限の可能性があります。固定されたレールを進む安定した道に魅力を感じる方もおられるかもしれませんが、やる気のある皆さんには、レールに縛られず、是非、大空へと飛び出してほしい。そこには、腫瘍内科の未来があり、世界中の患者さんたちが待っています。「腫瘍内科の未来」を創るのは、ほかならぬ「君」なのです。
新専門医制度には混乱もあり、不安を感じている方も多いと思いますが、制度上の問題は、私たちが解決しますのでご安心ください。制度がどんなに揺れようとも、けっして、腫瘍内科医の必要性が揺らぐことはなく、腫瘍内科医を志す人材が路頭に迷うようなことはありません。これから、多くの皆さんが、腫瘍内科医として羽ばたき、患者さんの幸せを支えてくれることを願っています。
2023年夏、「医学生・研修医のための腫瘍内科セミナー」を4年ぶりに開催します。これまで、多くの腫瘍内科医を輩出してきたこのセミナー、会場は、びわ湖を臨む大津プリンスホテルです。腫瘍内科に興味のある医学生、研修医、専攻医の皆さんは、是非、びわ湖に集まりましょう。そして、真の腫瘍内科医とは何か、腫瘍内科の未来にはどのような可能性があるのかを、ともに考え、語り合いましょう。きっと忘れられない夏になると思います。
私も、皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!


日本臨床腫瘍学会 専門医部会長
医学生・研修医のための腫瘍内科セミナーワーキンググループ長
がん研究会有明病院 院長補佐
高野 利実