ごあいさつ

近年の医療技術の進歩に伴いがん治療は個々の医師の裁量によるものから多診療科・多職種によるチーム医療へと変化しています。外科医、放射線科医、腫瘍内科医、看護師、薬剤師などがそれぞれの専門性を発揮して協力することにより、がん患者さんに最良の医療を提供することができます。これまで甲状腺がんに対しては有効な薬剤があまりなく、主に外科系の医師により治療が実施されてきました。しかし、甲状腺がんに対しても有効な分子標的薬が複数開発されるようになり、このような分子標的薬を有効に使いこなすには診療科の枠を超えたチーム医療が必要となっています。このような背景から、日本甲状腺外科学会、日本内分泌外科学会、日本甲状腺学会および日本頭頸部外科学会と日本臨床腫瘍学会では、学会間で甲状腺がん診療の連携を行うことになりました。この連携プログラムは外科医と腫瘍内科医が協力して甲状腺がんの患者さんを診療するのみではなく、お互いの知識を高め合う教育面での連携も取り入れています。このような学会間の連携が、日本のがん診療におけるチーム医療に寄与するものと大いに期待しています。

日本甲状腺外科学会
理事長 今井 常夫
日本内分泌外科学会
理事長 松田 公志
甲状腺癌薬物療法委員会
委員長 鈴木 眞一
日本甲状腺学会
理事長 赤水 尚史
日本頭頸部外科学会
理事長 北野 博也
日本臨床腫瘍学会
理事長 大江 裕一郎

本連携プログラム作成に至った経緯

日本における甲状腺がんの年間死亡数は約1700人であり比較的女性に多いことが知られています。治療法として、外科治療、放射性ヨード治療、甲状腺刺激ホルモン抑制治療、放射線治療などが用いられますが、手術不能放射線ヨード治療抵抗性の甲状腺がんは予後不良であり、新たな有効な治療法が望まれます。国際共同比較第III相試験の結果を基に、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体を中心に複数のがん関連タンパク質(血小板由来成長因子(PDGFR)、KIT受容体、RET受容体など)の阻害剤であるソラフェニブとレンバチニブの甲状腺がんに対する適応追加が承認されました。ソラフェニブは「放射性ヨード治療抵抗性、局所進行又は転移性分化型甲状腺がん」、レンバチニブは「根治切除不能な甲状腺がん(分化型甲状腺がんに加え、髄様がん、未分化癌を含む)」が適応症例とされます。
日本においては、甲状腺がん治療の多くを甲状腺外科医、内分泌外科医が担っていますが、このような新規分子標的薬剤の適切な処方と有害事象のマネージメントのためには、がん薬物療法専門医との連携が必要と考えられます。そこで、日本臨床腫瘍学会、日本内分泌外科学会、日本甲状腺外科学会、日本甲状腺学会、日本頭頸部外科学会は、甲状腺がんにおける分子標的薬剤の適正使用と治療成績の向上を目指し、学会間の診療連携協力を推進することといたしました。

 

基本理念

本連携プログラムは、甲状腺がん患者に対する新規分子標的薬剤の適正使用のサポートと、その結果として甲状腺がんの治療成績の向上を目的とするものです。
特定の製薬企業や団体などの営利目的をサポートするものではありません。
日本臨床腫瘍学会(JSMO)、日本内分泌外科学会(JAES)、日本甲状腺外科学会(JSTS)、日本甲状腺学会(JTA)、日本頭頸部外科学会(JSHNS)は、本連携プログラム推進のために診療連携に係る協定を締結いたしました。
本連携プログラムの主な内容は、

  1. 1)分子標的薬の適正使用に関係する診療連携の促進
  2. 2)地域における甲状腺癌治療に関する連携医師相互の教育事業の推進

です。

  • ごあいさつ
  • プログラム概要
  • 患者紹介の流れ
  • 協力医名簿
  • 書式ダウンロード
  • 適応症例

お知らせ

2015年12月21日
ごあいさつ、適用症例を更新しました。
2015年5月11日
ごあいさつ、プログラム概要、患者紹介の流れ、関係学会リンクを更新しました。
2014年11月14日
適用症例を更新しました。
2014年8月25日
協力医師名簿を都道府県別で表示するようにしました。
2014年7月1日
甲状腺癌診療連携プログラムWebサイトを公開しました。