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理事長レター

理事長レター Vol.9

日本臨床腫瘍学会 理事長 南 博信

楽しみなBest of ASCO
 6月1日(金)から6月5日(火)にかけて米国の臨床腫瘍学会(ASCO)が開催されましたが、それを受けてBest of ASCO 2018 in Japanが7月8日(土)~9日(日)に開催されます。毎年ASCOでは多くのpractice-changingな新しいデータが報告されますが、BOAではこの情報を日本にそのまま適用してよいのか、日本では考え方を変える必要があるのかなどの視点に立って議論します。毎年活発な議論が行われ、時には講師と異なった考え方や解釈が参加者から提示され、大変勉強になります。これからMedical oncologistを目指そうという人にはややレベルが高いかもしれませんが、Medical oncologistとして活躍している人にとっては必須と言ってもよいセミナーです。
 JSMOがBOAを最初に開催したのは2005年でした。現在ではBOAは米国外の多くの国で開催されていますが、当時は米国外で開催する最初の試みとしてJSMOが協力してASCOにとっては試行プロジェクトとして開催されました。これが大成功を収めたことから、ASCOは日本以外でもBOAを開催するようになりました。日本は最も参加者が多いBOAで、JSMO会員の関心の高さがうかがえます。
 初期のころは一つのテーマについてJSMOおよびASCOの双方が講師を立てて、それぞれの立場から解説していましたが、JSMO側の講師の方が日本の現状に即してより分かりやすく解説してくれるため人気が高く、最近では日本人の講師のみで開催しています。現在、日本の臨床試験を牽引しているバリバリの研究者に講師をお願いすることが多く、皆良い解説をしてくれます。毎年ASCOの1か月後にBest of ASCO in Japanを開催しますが、講師陣はASCO後にスライドが提供されるのを待つため準備時間が短い上に、ASCOからの制約が多い中での準備で大変だと思いますが、毎年良い講演をしてくれます。今年も有意義なセミナーになると確信しています。すでに参加登録が始まっています。ぜひご参加ください。

学術集会せまる
 第16回学術集会が中西洋一会長(九州大学教授)のもとで7月19日(木)~21日(土)に開催されます。すでに多くの抄録もそろい、指定講演の他に一般演題が1,184題、そのうち海外からも168題が集まりました。今までのJSMOの活動の蓄積で、JSMOがAsiaの中でのMedical oncologyの情報発信の場として国際的にも認知されてきているものと嬉しく思います。
 会場の都合により今年まで3年連続して神戸で学術集会を開催します。昨年は谷本光音会長が引き続き臓器・領域横断的な視点での学術集会を発展させ魅力的なプログラムを組んでいただいたので、同じ開催地であったにも関わらず一昨年に私が開催した時よりも参加者が増えました。今年もさらに多くの方が参加いただけると嬉しく思います。

大人気の医学生・研修医のための腫瘍内科学セミナー
 JSMOにとって初めての取り組みとして医学生・研修医を対象として学術集会とは別にセミナーを開催します。日本のがん薬物療法を適正に行うためには、多くの若手医師に興味をもってもらい仲間を増やしMedical oncologyを発展させる必要があります。多くの大学で腫瘍内科の講座ができて教育活動をしていますが、学生カリキュラムの中で腫瘍内科学が独立していなかったり選択科目であるところもまだあります。そのため学会が取り組むことは多いと考え、この医学生・初期研修医を対象としたセミナーは私が長年開催したいと考えてきたプロジェクトです。
 7月28日(土)~29日(日)に滋賀県の大津プリンスホテルにて泊りがけで行います。Medical oncologyの基本からキャリアパスまでいろいろ知ってもらえると思います。幸い大変な人気で、応募期間終了前に早々に定員に達し締め切りました。私も神戸大学の学生にすすめて参加したいという学生が3人いましたが、すでに定員に達してしまったということで応募期間内でしたが参加させてもらえなく、がっかりしました。しかし、これだけ人気があるということは理事長としては喜ばなければなりません。参加した学生さんがJSMOの会員になってくれれば、なお嬉しく思います。ぜひ初回となるこのセミナーを成功させて継続的に開催しJSMOの発展につながることを期待したいと思います。

がん薬物療法専門医申請始まる
 今年のがん薬物療法専門医の受験申請が始まりました。2006年に47名の専門医を認定し今年で13年目になりますが、現在1,300名以上のがん薬物療法専門医が各地で活躍しています。がん薬物療法は臓器・領域横断的にトレーニングを積む必要があります。従来の臓器別診療体系のなかで行われてきた日本のがん薬物療法の弊害を、がん薬物療法専門医は克服しなければなりません。そのためにJSMOでは学会が求めるがん薬物療法専門医像を示しています。
 がん薬物療法専門医の試験は難しいという人もいます。単一の臓器のがんしか診療した経験がない人にとっては難しいかもしれませんが、日ごろから幅広いがん種の薬物療法に携わっている人には常識的な問題しか出題されません。まじめに診療をしていれば難なく合格する試験です。症例の病歴要約の提出などが求められますので、早めに準備を開始してください。病歴要約を丁寧に記載することが筆記試験の勉強にもなります。面接では提出された病歴要約の中から個別の症例について議論が行われますが、細かい知識を問われることはありません。実際に主体的に診療にあたっていたか、専門医として適切な考え方を持っているかなどが確認されるだけです。不合格にしようと面接する面接官はいません。面接官は、まじめにやっている受験生には何とかして合格してほしいという気持ちをもって面接にあたります。緊張している受験生には、きっと「緊張するなと言われても無理かもしれませんが、普段通りでいいですからね」と声がかかるはずです。
 毎年、受験申請書類に不備が散見されます。早めに準備を始めて書類の不備で受験ができなくなることは避けてください。皆さんががん薬物療法専門の仲間に加わることを切に願っています。

2018年6月7日
日本臨床腫瘍学会
理事長
南 博信