会員の皆さまへ

トップページ > 会員の皆さまへ > 理事会より > 理事長レター

理事長レター

理事長レター Vol.3

日本臨床腫瘍学会 理事長 大江裕一郎

時間の経つのは速いもので、今年も残り僅かとなりました。本年の5月から開始した理事長レターも、7月のvol.2から少し時間が空いてしまいましたが、ここにvol.3をお届けいたします。

前回は神戸での第14回日本臨床腫瘍学会学術集会 外部サイトへ移動 の前にお届けしましたが、会員の皆様のご協力により、第14回日本臨床腫瘍学会学術集会には約6,700名の参加者があり成功裏に終わりました。内容的にも大変素晴らしい学術集会になったと感じています。御礼が大変遅くなりましたが、学術集会に参加くださった会員の皆様、学術集会長の南博信先生、実務を担当された清田尚臣先生ならびにご支援いただいた企業など関係各位に心より感謝申し上げます。来年の学術集会も神戸での開催になりますが、アンケートなどでご指摘いただいた問題点は可能な限り解決して、今年にも増して素晴らしい学術集会を開催したいと考えています。来年も是非、神戸でお会いいたしましょう。

今回は専門医制度に関するその後の動向について説明させていただきます。理事長レターvol.1で、「今年の秋に、日本専門医機構から専門医制度に関するヒヤリングが実施されると聞いています。」とお伝えしましたが、日本専門医機構のヒヤリングは予定を前倒しして、6月29日に急遽実施されました。このヒヤリングでは、日本臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医について特に問題となる事項は指摘されずに終了しました。しかし、ご承知のように日本専門医機構の役員が7月から大きく変わり新体制となったこともあり、日本専門医機構内でのその後の動きはありません。

一方、日本臨床腫瘍学会では専門医制度設立当初より、がん薬物療法専門医を内科のサブスペシャルティに加えていただけるよう継続して日本内科学会へお願いしてきました。文書でのお願いに加え、私も門脇孝理事長、渡辺毅認定医制度審議会会長(当時)、事務局担当者と直接お会いして何度か専門医制度についての説明をさせていただきました。がん領域の専門医制度に関する若干の誤解もあったようですが、最終的には日本臨床腫瘍学会の専門医制度に対するご理解がいただけたものと思っています。

本年9月8日の第134回日本内科学会認定医制度審議会で、日本臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医について説明させていただく時間をいただきました。私から日本臨床腫瘍学会の専門医制度の概要と内科のサブスペシャルティに腫瘍内科が必要であることを説明させていただきました。そして、日本内科学会認定医制度審議会としては、内科のサブスペシャルティに腫瘍内科を加えることが了承されました。なお、心療内科も内科のサブスペシャルティに加えることが同様に了承されました。

今後は、12月22日に開催予定の内科系13学会協議会で再度説明させていただき、内科系13学会協議会とその後の理事会で承認が得られれば、腫瘍内科を内科サブスペシャルティとすることが内科学会から正式に認められることになります。その後に日本専門医機構での議論になるもとと思われます。

腫瘍内科が内科サブスペシャルティになった場合に、現在のがん薬物療法専門医のように内科以外の専門医の受験を認めるか否かの問題があります。最終的には日本専門医機構との協議が必要と考えていますが、これまでのところ基本領域は内科に限定しない意向が日本専門医機構からは示されていました。また、その場合の専門医の名称についても今後、検討が必要となります。

がん領域の専門医制度を考える上で、もう一つの課題が「がん治療認定医」の位置づけです。がん治療認定医は、日本臨床腫瘍学会も参加して、日本癌学会、日本癌治療学会、全国がん(成人病)センター協議会の4団体で設立した一般社団法人日本がん治療認定医機構により運営されています。2014年5月16日に日本医学会から「がん領域に関する専門医制度についての提言」が日本専門医機構に提出されています。その中の一つに「がんを取り扱うサブスペシャルティーの領域では、最新のがんに関わる共通的知識技術を幅広く履修することを目的とした横断的な研修プログラムを導入する」ことが明記されています。

日本がん治療認定医機構のセミナーなどを、この「横断的な研修プログラム」として導入することが現在検討されています。がん治療認定医の制度は平行して存続しますが、がん治療認定医の取得が、がん薬物療法専門医もしくは正式名称は未定ですが、将来の腫瘍内科専門医取得の条件になることはありません。

今年もがん薬物療法専門医の認定試験が実施されました。来年の4月には、専門医数は1,200名を超えるものと予想されます。一方で、がん薬物療法専門医の一般での認知度があまり高くないとの意見もあり、日本臨床腫瘍学会ではがん薬物療法専門医の認知度をさらに高めるために、専門医審査部会が中心となって紹介リーフレット PDF(※)を作成しました。是非、ご活用いただければと思います。(※データ利用目的の二次利用は不可)

今回、わかる範囲で専門医制度の進捗状況を説明させていただきました。しかし、新専門医制度の動向はいまだに混沌としており、どのように変化するかは予断を許しません。今後もなにか進展がありましたら、継続して皆様に報告させていただきます。

2016年11月24日
日本臨床腫瘍学会
理事長
大江裕一郎